科学技術の発展に貢献する加速器、国際リニアコライダー

加速器は今や、科学技術の発展に欠かせないものとなっています。
特に、宇宙の成り立ちや、謎を探るための研究を行う天文学、新たな物質の発見やより高度な材料を開発するための物理学などの研究には、加速器は欠かせません。
そんな加速器の中でも次世代の加速器として現在注目が集まりつつあるのが国際リニアコライダー、ILCです。
ILCは実は日本の九州、福岡に近い地域の脊振地方にあります。
脊振は日本の中でも安定した地盤を誇る場所にあるため、地震などの影響を受けることが少ないとされています。
それゆえ、ここはILCを設置するのにふさわしい場所と認められたのです。
この加速器は現在、史上最大かつ最高エネルギーを用いて、電子と陽電子を衝突させることができるということです。
ILCの研究の最大の目的は、最近メディアにも取り上げられて話題になった万物の質量の起源とされているヒッグス粒子や超対称性粒子などの謎の多い粒子を解明することです。
ILCの開発と設計は、世界中の多くの人たちが関わる一大プロジェクトとなっています。
300以上にものぼる世界中の研究機関や約700名にものぼる研究者がこの加速器の研究と開発に携わっているほか、その測定器の設計や開発にも、900名もの研究者と技術者、大学院生などがかかわっています。